マインドマッピング

手描きのマインドマップの例 マインドマップのガイドラインについてのマインドマップマインドマッピング(Mind Mapping)もしくはマインドマップ(Mind Map)は、トニー・ブザンが提唱した、図解表現技法の一つである。ちなみに「マインドマップ」という呼称は、日本国内においてブザン・オーガナイゼーション・リミテッド社によって商標登録されている。

概要
表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを図の中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを繋げていくことで、発想を延ばしていく図解表現技法。この方法によって複雑な概念もコンパクトに表現でき、非常に早く理解できるとされ、注目され始めている。 人間の脳の意味ネットワークと呼ばれる意味記憶の構造によく適合しているので、理解や記憶がしやすい。
また本来は紙とペンで描くものだが、コンピュータ上で描くための専用ソフトウェアもいくつか存在する。

原始人たちの洞窟壁画・古代の象形文字・レオナルドダビンチを始めとする偉人たちのスケッチに見られるように、私たち人間は言葉として表現する前に頭の中で「絵」を描いてきました。頭の中の考えから湧き出てきた、まさにこの「絵」こそが、人間にとって最も自然で効果的な表現法であり記憶法なのです。
 どのようなテーマでも、視覚的表現によってひと目で全体を俯瞰できるようになり、考えを柔軟に導いてくれます。その理由は・・私たちの脳が文章のような直線的な思考ではなく、物事を次々に連想して放射状に展開して行く拡張的な思考能力を備えているからです。
 私たちがこれまで活用してきた「ノート」とは、おもに黒または青で単語・数字・論理などを目次などを応用して記録したものでした。しかし、そこには「人間の脳の働きをより効果的にする」、イメージ・連想・空間・リズムなどといった大変重要な要素が抜けていたのです。これまで抜け落ちていたこれらの要素こそが、私たちの「発想力」「記憶力」「連想力」を高めてくれる最も重要な要素だったのです。これらの重要な要素を活用した記録法・表現法がマインドマップなのです。    

直線的な文章筆記とマインドマップの大きな違い

[ リズムㅣパターンㅣ色相ㅣイメージㅣ視覚化ㅣ立体ㅣ空間ㅣ俯瞰ㅣ連想]
「記号」という道具を作り出した人間は、脳の進化という点で大きな前進を果たしました。それは人間の精神世界で初めて自分たちの足跡を客観的に残すことに成功したからです。時間と空間を越える道具を樹立したことにより、人間の知能は無限の時間と空間を共有してコミュニケーションできるようになったのです。  しかし「記号」を情報伝達において本当に活用できていたとしたら、これほど多くの人たちが学習・思考・記憶・想像という活動において今のような苦労を続けているでしょうか?現実には、多くの人たちが、自信喪失・無能感・興味減退・記憶力/思考力/集中力の低下に悩んでいます。
 では、それはなぜなのでしょう?それは私たち人間が、直線的な文章を主とする「語彙」「数字」「論理」などによる記録・表現に依存しつづけているためであるといえます。典型的に利用されている直線的な文章表現のノート記録の弊害を考えてみるとよく分かります。
 
<既存のノート筆記とマインドマップ>
 ノート筆記の約95%以上が単色(黒または青)で記録されています。「単色(モノトーン)」(monotone)という単語の語源は「単調な(monotonous)」です。つまり95%の人たちが、自分自身と相手に対して「単調で・・」「つまらない・・」「印象に残らない・・」筆記方法によって記録・伝達を行っているということになります。
  <典型的なノートの短所とマインドマップの長所>
  典型的なノートの短所
1. 中心テーマ(核心語)が隠れている・・
 最も重要なことがらは「核心語」によって伝達されます。しかし、ごく典型的なノートでは「核心語」が他のページに現れたり、他の単語にまぎれて不明瞭になっている場合が多く見られます。人間の脳が核心を捉えようとする働きを妨害しているといえます。
2. 記憶しにくい状態で書かれている・・
単色の文字で書かれた文字を羅列したノートは、「視覚的」にもウンザリさせられ拒否感を感じます。したがって記憶からすぐに抜け落ちてしまうわけです。
3. 時間の浪費・・
- 文章を推敲する時間の無駄 - 最後まで読まないと結論がわからない時間の無駄 - 再び読み返す時の時間の無駄 - 隠れた核心語(本当に言いたいことは何か)を読取る時間の無駄
4. 脳に「創意的」な刺激を与えられない・・
直線的な文章表現のノートは脳に「刺激」を与えることができません。また、労多くして益の少ない文章表現のノートは、「書き留めた・・」「読み終わった・・」「整理した・・」という間違った完成感はあるものの、次に生じるべき「創意的」な段階への発展が期待できないのです。.
5. そのようなノート筆記を繰り返すことの悪影響・・
- 脳が退屈して集中力が低下する - 創意・連想・記憶することより「ノートを作ること」に時間を浪費する悪習に陥る - 自分の能力に対する自信を喪失する - 学習することの面白さと興味を失い学習意欲が低下する - 飽き飽きして挫折感に苦しむ - 無意識のうちに一生懸命やるほどに効果速度が低下する
  <マインドマップの長所>

1. 必要な単語だけ記録するので50%∼95%時間を節約できる
2. 必要な単語だけを読取るので90%以上の時間を節約できる
3. 読み直しの時間も90%以上節約できるので繰り返すほど効果が高まる
4. 核心語と必要な単語だけ記述するので、行間を読取る時間の浪費が無い
5. 核心語が強調されているので精神を集中できる
6. 核心語と重要語が並べて表示されるので創意力・連想力を最大化できる
7. 単語がツリーで結ばれるのでテーマの関連性がひと目で分かる
8. 多次元的に展開される視覚的な刺激で記憶能力を高める
9.イメージ的に展開するマップの拡張性により潜在的な思考をフローで展開

  <マインドマップの定義>
放射思考(Radiant Thinking)の表現
 マインドマップとは中心から四方に広がる放射思考の表現方法です。それは脳のもつ自然な機能であり、脳の潜在力を使う強力なグラフィカルな記述方法といえます。
思考力を中心に据えた頭脳啓発プログラム
イメージ・核心語・色・記号などを活用して、左右脳の有機的な連結で脳の機能を最大に発揮できる思考力中心の頭脳啓発プログラムです。新しい学習技法・情報管理技法であるといえます。頭と心の中にある地図を文字や記号やイメージを使って表現する技術でもあります。

創意力・記憶力中心の筆記法

 マインドマップを活用した筆記は、単純に情報の受渡しだけを行うだけでなく、脳で考えながらの学習を伴うことを意味します。マインドマップは創造と言語の連想力作用によるノート法といえます。   マインドマップの使用言語 マインドマップの活用度は無限です  学習方法の本質は色々な側面がありますが、結果を出すという点において記憶(情報の保存と回想)を通して行なわれることは間違いありません。脳の中にどれだけの情報が保存されていて、その保存された情報を直感的に回想・連想・統合しながら創意的な活動を行うために、マインドマップでは右脳の機能的な特性(色相・イメージ・シンボル・核心語)と左脳の論理的な組織化(主なツリー・副次的ツリー・末端ツリー)を活用します。 - 色相は記憶を鮮明にし、情報の保存には系列化を活用します。 - イメージは強力な記憶効果を持ち、関係を強力に連想させます。 - シンボルは雑多な意味を含めて短時間で多くの情報を感性的に保存します。 - 核心語は最善の情報伝達単語であり、通常2単語以内で簡潔に考えを保存します。 - 脳は記憶しているすべてのデータを主観的に組織化します。データが完全に無作為の状態であっても、連想・回想能力によって主観的な組織化を行えます。マインドマップを作成する時、組織化とはパターン構造を明確にすることを意味します。データをパターン構造化する、その行為自体が記憶することの大きな助けとなるのです。ある一つの情報(単語)が全体構造パターンのどの部分に当てはまるのかを考える時、直線的な文章表現のノートを作る時よりも、はるかに積極的に脳を働かせるためです。強い印象と共に自然に記憶に残っていく理由です。      

マインドマップ作成法

1. 白紙と色ペンを準備します。線をつないで考えを展開できる大きさの白紙と、描きたいメインのツリーの数(普通は五色程度)の色の揃った色ペンを準備します。 2. 自由に風景画を描く時と同じように白紙全体を自由に使用します。 3. 紙を横向きに長く置いて、中心から描き始めます。 4. 中心にテーマとなるイメージ(核心語)から書き出します。 5. 中心テーマ(イメージ)からツリー(枝葉)を一つずつ加えていきます。そして、その枝葉のうえに単語・絵・シンボルやそれらを取り混ぜながら描いていきます。枝葉の末端に進むほどにツリーの線はだんだん細くしていきます。   マインドマップ基本描画法 1段階 : 中心イメージ(核心テーマ) > 主題を選定 > 白紙を横向きに置く > 中央に考えている課題・状況・本質を表現するテーマを記入 > 連想されるイメージ・言葉を多様かつ自由に書き加える 2段階 : メインツリー(主題) > 中心テーマに最も近い主題を加えて太い線で結ぶ > 必ず色分けして描く > 主題別に核心語を(1単語)加えるか絵やイメージで表現する > イメージと言葉の有機的な関係を描く(線で結ぶ) 3段階 : サブツリー(副題) > 主題から派生する副題を加えてツリーで結んでいく > 副題は上位のテーマより、段階的により細かい内容にしていく 4段階 :詳細ツリー > 副題よりもさらに細かい、具体的な内容を描きます > 副題と関連するより細かい内容となります > 絵・文字またはそれらを取り混ぜながら表現します > 頭の中から思い浮かぶすべてをもれなく書き込んでください 5段階 : より詳細に(際限なく・・) > 思いつく考えすべてを出し切ってください > マインドマップは考えを無限に記入できます、限界がありません  

活用分野別に見るマインドマップの長所

<日記 マインドマップダイアリーの長所 :> 1. マインドマップダイアリーは成長と発展にしたがって包括的な人生管理の道具となりえます。自分の人生観をイメージ的に可視化して提示できます。過去と未来をつなぐ計画と記録が明らかになります。 2. マインドマップダイアリーは、視覚的な興味を引きマインドマッピング技術の向上につれてより魅力的になり、最後には芸術のように昇華していくでしょう。 3. 年間・月間の計画や毎日のスケジュール、長期間継続するテーマをチェックしながらロールアップする大きな手助けとなります。 4. マインドマップダイアリーは、すべてのことがらを人生の脈絡の中に位置付けて眺める手助けとなります。 5. ダイアリーシステムの本質として、多次元的な記憶・記録を助けてくれるので、人生に対する完璧で客観的な記録を残すことができるでしょう。 6. テーマをしっかりと据えることで、人生の最も重要な事柄を見失うことなく、有意義なひびを送れるようになります。 7. マインドマップダイアリーは自発的な自己啓発の管理に非常に適しています。最近開発された学習モデルTEFCASを私たちの脳が効果的に利用できるようになっているためです。TEFCASモデルとは試み・実行・フィードバックと繰り返しながら究極の目的に達する成功モデルです。 8. マインドマップダイアリーは、視覚的な刺激を与えてくれて興味を誘発しますので、毎日継続していくことが楽しくなります。   < 自己紹介 : 自己分析マインドマップの長所 > 1. 自分に対する客観的な分析を行います。 2. 脳の機能を最大に活用して自分を振り返ってみます。 3. 些細なことでも自分と関連する幅広い事象に対して、巨視的な視点を提供してくれることでしょう。 4. 自分の直面している状況を直視することで、将来に対する計画をより明確にできるでしょう。 5. 永遠に記録を残して冷静な洞察力を得ることになるでしょう。 6. 他の人の分析をする助けにもなるでしょう。 業務分野 <スピーチのためのマインドマップ> マインドマップはスピーチや講演の準備に大きな効果を発揮します。 マインドマップを利用すると、ページをめくらなくても全体の構成やテーマをひと目で確認できます。常に一枚のマップを見ていますので、スピーチの要旨や言いたいことが常に確認できると共に、重要性が階層で示されているので論理的かつ脈絡立てて話をすることができます。直線的な文章原稿の場合、単なる読み上げに終ったり、ポイントをはずしたり、一番言いたかった最後の部分で時間がなくなったりということが起こります。 <記憶を助けるマインドマップ> 1. 脳の力を最大限に活用して回想力を大幅に向上します 2. 脳の持つ力を多様に活用し、より細かい内容を記憶できるようになります 3. 脳の働きと同じような構造をもっていますので、マップと脳とが調和して働きます 4. 本質的に記憶力の向上に重点をおいて考案されています 5. 創意的思考の過程で自然に記憶を補強する効果があります   <プレゼンテーション プレゼン効果を高めるマインドマップの長所 :> 1. 構成や文章表現を考えるストレスから解放されます 2. 新しいアイデアを導き出す時に、創意性と独創性を向上できます 3. 分析と創意のプロセスを継続して管理・統制していけます 4. イメージ的な遡及効果の高いプレゼンに仕上げることができます < 問題解決 : 対人関係解決のマインドマップの長所 > 1. このマインドマップは構造上、参加者の立場を開放的にしてくれます 2. 相手の認識力に対して明確な見解と判断ができるようになります 3. 参加者たちが率直に自己主張できるようになります 4. 問題をより幅広く捉え、原因をより深く追求できるようになります 5. 人間関係に対して持続的な記録を行い、関係発展に向けた助けとなります 6. 相手方に対する理解だけでなく、自分自身の洞察力を高めることができます <アイデア導出 創意的思考のマインドマップの長所 :> 1. すべての創意的思考を無意識に活用するようになります 2. 目標に向かって進むに連れ、精神的なエネルギーが持続します 3. 同時に多くの要素を確認できるため、創意的な連想力と洞察力が高まります 4. あいまいなままだったアイデアを明確にし、容易に導き出してくれます   <会議準備 : 会議用マインドマップの長所> 1. 自身の考えを容易にメンバー全員に伝えることができます 2. すべての発言を主題から外れることなく統制できます 3. マインドマップで共有する空間・エネルギー・情熱・共感までも定着できます 4. 参席者全員が会議に関する完璧な記録を共有でき、討議内容を正確に理解・記憶させます 5. マインドマップは効率的なコミュニケーション手段であり、会議の所要時間を大幅に短縮できます 6. 会議で決定された目標の達成度を大幅に高めることができます <企画 経営管理マインドマップの長所 :> 1. 経営管理にマインドマップを活用することで組織が一層発展します 2. 意欲的な動機の付与が明確になり業務の効率が向上します 3. 社員間のコミュニケーションがより活性化します 3. 一層のトレーニングによって一層の効果を得ることができます   <グループマインドマップ : グループマインドマップの長所> 1. グループマッピングの過程で要求される思考方式と学習方法がメンバーの脳に自然な作用を与えます 2. グループとメンバー個人の両方で同じく思考が展開して行く効果を得ることができます 3. 個人がグループに貢献すればするほど、グループマッピングの効果か高まるとともに、結果がフィードバックされて個人の能力も増進します 4. グループマッピングは、初期段階からブレインストーミングよりはるかに高い効果を得ることができます 5. グループマッピングは自然に意見の一致を導き出す構造を持っていますので、チームワークの向上と目標への行動力を高めます 6. メンバーの意見はすべて妥当性を持って受入れたうえで展開して行く特徴があります
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